- 様々な方法を「うみ」を例に示します
2.1 一般の楽譜を運指表に示す適用尺八を選択し採譜する
2.1.1 ハ調ベースの基本運指尺八1尺6寸の音階で採譜する。(下図B)
うみは(下図B)に示すように最初から音程が「ミ」から3オクターブのハ四までの範囲にある場合は
ハ調ベースの基本運指1尺6寸で採譜すれば何も問題無くきれいな楽譜を作成できます。
2.1.2 楽譜が音程が「ミ」から低い場合
元々の楽譜は(下図@)に示すように#が1ケの「ト調で一番低い音は「レ」ですので「ミ」から始まるハ調
ベースの運指は適用出来ず作譜出来ません。どうしてもという事であれば「レ」の音は少ないですので
1オクターブ上げて吹く事は音楽として違和感が無ければ適用出来ます。
2.1.3 運指表に示す低い音程を基準に該当尺八を適用し採譜する(下図@)
@運指表を見ると低い音が「レ」から始まるのは1尺8寸ですのでこの音階を適用します。下図@で見ま
すとツとリの2つの音程はメリとなるので演奏は難しくなりますがまあまあで楽譜としては成立します。
Aこの楽譜は8寸で吹いても元々の音程を維持していますので洋楽器とコラボ出来ます。
2.1.4 音程を1オクターブ上げて1尺6寸の音程範囲にある場合(下図A)
@音階もメリが無く演奏も容易で望ましい形です。しかしたまたまこの楽譜だけですので音階が「ミ」から
ハ四までの範囲内にあるかどうかです。適用出来ればラッキーという感じです。
Aこの楽譜で洋楽器と音程的には高いですが和音的なコラボが出来ます。
2.2 楽譜をハ調ベースに変調する方法(下図B)
うまくいくと演奏が容易な美しい楽譜を作成することが出来この譜面で6寸で洋楽器とコラボ出来ます。
2.2.1 元々の「ト調」の楽譜を手作業で「ハ調」に変調する方法です。
@この場合移調の知識が必要です。
Aどの尺八の寸法を使用するかを等を考えながら最適な方法を考えるのは容易ではありません。
2.2.2 楽譜作成ソフトを入手し「ハ調」に変調する方法です
@移調が自由に出来ます、歌詞も尺八の符牒も入力が可能となります。
Aソフトは何でも良いのですが私の場合「PrintMusic」14,000円程度です。
B尺八の符牒はソフトにありませんのでカタカナで入力しメリの符牒は手書きで記入することになります。
C尺八符牒「ロツレチ・・・」をパソコンの外字機能を利用し作成するとする美しい楽譜を作成することが
出来ます。パソコンのOSやソフトのレベルで作り方が変わりますので勉強する必要があります。
D尺八譜に合った文字コードを選択し尺八の半音も含めた符牒を外字作成します。
E外字は、「WIN8」の場合「がいじ」「F5」で外字テーブルを呼び出し楽譜の歌詞として適用します。
F調子記号が沢山ある場合も取りあえずハ調に移調し吹きにくい場合は色々移調して吹き易い楽譜を作
成します。
2.3 どうしても変ロ調に拘る場合(下図B)
2.3.1 元々の「ト調」の楽譜を手作業で「変ロ調」に変調する方法です。
@1尺8寸の尺八にどうしてもこだわる場合ですが、知識がある方でも「ハ調」に移調するよりは作業的に
も容易ではありません。
Aしかし不思議な事にさんざん苦労し移調しても1尺6寸の「ハ調」ベースの音階になっています。不思議
ですね。こんなことなら何も苦労せず最初から1尺6寸の「ハ調」ベースで採譜しておいた方が良い位で
すね。しかしこれは1尺8寸の音階ですから音程は低いわけで1尺6寸の「ハ調」の音程とは異なり洋楽
器と合わせる事は出来ない事が判ります。
Bしたがってこの手法での採譜は容易では無くお勧めできません。
一般には一尺八寸を前提とした変ロ調(♭2ケ)の楽譜が市販されています。
- 高度な楽譜の作成
3.1 メロデイ部の作成
@私の場合1尺8寸と1尺6寸の2本の尺八があれば全て対応できるようにしています。そのため移調と曲のキ
ーを操作し色々試し採譜しています。
A最初は譜を色々移調し1尺8寸と1尺6寸の2本の尺八のキーも変更しながら組合わせてみます。
B歌に合わせる場合、曲の音程が決まりますので移調・尺八を色々変えて合わせてみます。
Cカラオケ曲の場合は、キーを色々替えられるので採譜は容易になります。
Dプロの演奏ですからこれに勝る師匠は無いといえます。
Eソフトで曲から楽譜を作成する事もあるようですが実際は複数の楽器で演奏され目的とするメロデイ譜を
得ることは難しいようで、手作業での修正を伴うことになります。
3.2 前奏・間奏等も採譜する。
@一般に入手できる楽譜はメロデイ譜が主で前奏・間奏等は巷に流れるものとは異なります。
Aしたがって耳コピーで辛抱強く行う方法があります。私が今回出版した楽譜は前奏・間奏等を耳コピーし
作成しています。耳コピーをした場合の楽譜は作成者の著作となりますが、公に出す場合は、著作料を支
払わなければいけません。
4. キー操作のための機器(右写真より少し大きい)
@録音・再生・キー操作・部分繰り返し機能等様々な用途に使える「ポータブルデジタルレコーダ」が有り重
宝します。キーの変更も半音、1/10の少しずつ変える事も出来ます。
3万円程度ですので色々に使えますので検討して見て下さい。(機器名 JVC XA-LM30)
A楽譜作成に当たっては、この機械で生成した曲を録音するための機器がもう1台必要となります。
さあ皆さんはどの方法を選択しますか