6 7孔の空け方(リの大メリ・ツの大メリ)
6.1 リの大メリ(3.5孔)の空け方(下図上左)
(1)継部分が丁度真ん中にある場合
@理想的な孔の位置は真ん中で継部分と被ります。したがって3.5孔はどうしても
音程的に低い位置にあり音程が上がらず難しい孔の空け方が求められます。
A継の補強リングが金物であったり様々ですが、庇のように出っ張っている場合が
あるので注意して空ける必要があります。
Bリングの真ん中に空けると庇し部分がギリギリで無理に開けると竹の強度が保も
てず破壊する恐れもあり中心からその分ずらして空けます。ドリル等を使う場合
は中心がズレたりするので注意して空ける必要があります。私の場合は前述の写
真のようなガイドリングを使用しています。
C音程的になかなか高くならないので下図に示すように若干筒の中心に斜めに開け
ると伴に横方向に孔を空け又孔大きく広げ孔の面積を大きくするようにして音程
を高くします。
D孔空け時のヒズミでリングと尺八本体の竹との間に隙間が生じ空気漏れの原因と
なります。空気モレが生じると音が出なくなりますので瞬間接着剤を隙間に流し
込みます。
(2)継部分が真ん中より3孔に近い場合(下図下)
@まともでは、リの大メリの音は出せませんので思い切って尺八の2本物を接着剤
で接着し1本物とし、接合部あたりに孔を空け直す方法があります。
これは良くやる方法です。
Aこの場合接合部の処理が必要となります。
6.2 ツの大メリ(0.5)の空け方(下図上右)
@ツの大メリは1孔のツより低い位置に小さな孔を空けることで実現します。
Aしかし1音階低いわけですから普通に空ければ相当下の位置に空けることになり
ます。しかし音程は孔の面積でも決まりますので小指の腹の位置するところに小
さな孔を空けて対処します。小指が長く1孔より離れすぎている場合は孔を1孔
の方向に近づけるように斜めに空け小さな孔で済むようにします。
B小指で腹の位置をマークし空けますが、大体正規の位置では垂直に開け、小さい
ビットから大きいビットに音程を確認しながら空けて行きます。