1. 共鳴理論
 3.1 原理
 ・尺八がどのようにして音の高低と共鳴が成立しているのかを知る必要があります。
  それはヘルムホルツの理論で下図に示すフラスコで理解出来ますす。
 ・共鳴周波数は下図に示すように体積と長さに反比例します。即ち体積が大きく筒の
  長さが長くなれば共鳴周波数が低くなり、体積が小さくまた筒の長さが短くかつ筒
  の面積が大きくなれば共鳴周波数は高くなるという事が理解できます。
 
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 3.2 尺八の調律の原理
  3.2.1 原理
 ・尺八に当てはめた場合下図に示すように歌口から孔までの筒が体積V、孔までの長
  さがL、筒の内面の孔の面積Sと考える事が出来ます。なお筒先までの体積には孔
  自体の体積も含まれます。
 ・該当する孔の音程が高い場合は、上記原理から歌口からの距離を長くするか孔を小
  さくするかで対処すれば音が低くなる事が判ります。実際には、双方のバランスを
  取り調律する事になります。
 ・該当する孔の音程が低い場合は歌口からの距離を短くするか孔を大きくするかで対
  処し音を高くすることが出来る事が判ります。実際には、双方のバランスを取り調
  律します。
 ・孔自体は共鳴節としても機能します。したがって調律では夫々の孔が夫々の音程に
  微妙に影響することを念頭に入れて置くことが必要です。
 3.2.2 検証
 ・それでは、ほんとうかどうか検証してみましょう。一般的に尺八は2本継です。
 ・継を外し短い方で孔を塞がずに吹いてみます。その時の音程は上記原理の通りだと
  すれば5孔のL5の長さで決定される筈です。仮にこの時の音程をAとします。
 ・次に尺八を元に戻し1本にし、孔を全て明けた状態で吹いて見ましょう。音程は殆
  どAと変わらない事が判ります。即ち長くしても基本的には音程は殆ど変わらずL5
  で決定される事が判ります。
 ・しかし1孔から4孔までの全て塞いだ場合は夫々の孔は共鳴節として機能し音程が
  変わることになります。従って調律の実際では、全体のバランスを確認しながら調
  律する事になります。
7孔
作成
割れ
修理
道具
調律方法
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