３.尺八の吹き方
３．１呼吸法
①唇を軽く閉じ、唇の中心から空気を吹き込むようにします。
②呼吸法は、お腹の力で少しずつ空気を押し出す複式呼吸です。
③低い音は、唇の開きを少し広くし、太い空気を押し出すようにし
ます。高い音は唇の開きを小さくし細い空気を強く押し出すよう
にします。
④音程に合わせて唇の開き空気の強さを調整することで２オクター
ブの音程を出す事が出来ます。
⑤注意点は、基本姿勢を守り、歌口が唇の中心からズレていたり曲
がったりしないように常に意識することです。
３.２ 準備
①尺八の音程が正確かどうかを確認するためチューナーを準備しまし
ょう。
②尺八の音程がズレていては自信を持って練習することはできません
。先生等にチューナーで確認してもらいましょう。練習では吹き
方が正しければ正確な音程になると自信を持つことが大切です。
３.３ 音を出す練習
最初に尺八の繋ぎを外し歌口のある短い方で音を出す練習をします。
又、お腹の力の入れ具合で低い音と高い音を出す練習をします。音が
うまく出なくなった場合は、2.2項、2.3項の音を出す基本に戻り確認
しましょう。
３.４ 尺八を繋ぎ音を出す練習
①尺八の孔を全く塞がない状態で音を出します。尺八をつまむように
持ちます。
②尺八は、お辞儀をした前傾姿勢の立ち姿で顎を引き構えます。ある
程度音が出るようになるまで立ち姿で練習します。
③尺八の歌口が唇の中心に、且つ平行になっているか確認します。
④顎を引き歌口を顎にフィットさせ唇を軽く押し当て、下唇を軽く歌
口に入れ、唇で軽く歌口を挟む感じで唇を歌口と正対させ軽く吹き
ます。音が出れば正常です。
⑤次に運指表に従い全ての孔を指で塞ぎ吹きます。
⑥甲ロの音が正しい音程を吹ければ成功です。
⑦次に乙ロを吹いて見ましょう。正常な音程が出れば大成功です。
⑧成功した方は次の3.7に進みます。うまく行かない場合はLINKで
3.5左手をから確認します。
３.７ 尺八で２オクターブの音を出す練習
①乙ロの低い音から２オクターブに続く「ハ」の音まで出しその流れ
で逆に乙ロまで下げていきます。音を作る「メリ」は除きます。
尺八が５孔の場合は、この練習では「ツとリ」の大メリは音が出る
ようになって改めて練習します。
②１音１音ゆっくりと、指が正確に孔を塞いでいるか、正確にきれい
な音が出ているか確認しながら練習します。
③指の腹の孔の跡が正常か確認しましょう。
３.８ 半音を出す方法
①尺八の半音は、音を下げることで音を作ります。これを「メリ」と
呼びます。
②下図の右のように孔に対して指を少しずらし小さな孔を空け低い音
を出す方法です。
③下図左のように指の位置は変えず指先を少し反るように上げ孔を少
し空け低い音を出す方法で「かざし」と呼びます。
④顎を引くことでも低い音を出す事が出来ます。指の操作で音が低く
ならない場合顎を引く方法と合わせて更に低い音を出すことが出来
ます。「メル」と呼びます。
⑤メリの音は作る事がなかなか難しく安定した音程になりません。特
に5孔の場合、「ツの大メリ」の音程を出すのは難しいので先生の
指導を仰ぐと良いでしょう。
⑥なお、ポップスの演奏では「レとチのメリ」は、「メリ」の操作を
出来るだけ避けるためハ調ベースの運指表の同律運指で示すように
孔の開閉だけで音を出す方法を用います。なおも感度が良い尺八の
場合音が高くひっくり返ることがありますのでその場合は、普通の
方法で「メリ」ます。
